Racing Diary 2002's Race

全日本ロードレース選手権第5戦 もてぎスーパーバイク大会

2002年6月21~23日 栃木県 ツインリンクもてぎ

HOME >レース活動のレポート一覧 > 2002年6月21~23日:全日本ロードレース選手権第5戦 もてぎスーパーバイク大会

北川圭一、再び総合表彰台をゲット!

全日本ロードレース選手権もこの第5戦もてぎ大会で前半戦を終了する。
上り調子の北川圭一とケンツJトラスト&MOJOでは、ここもてぎでもワークスチームを相手に総合表彰台に上がることを目標としてレースに臨んだ。
  21日の金曜日は気温が30度まで上がり、真夏を思わせるような暑さとなった。北川は前戦のオートポリスで負った足の故障が完全に癒えない体調ながら、午前中のフリー走行ではスズキワークスのGSV-Rを駆ける加賀山選手に次いで2番手のタイムをマーク、まずまずの出足となった。

  午後のフリー走行でも北川は前後サスのセットアップが順調に進み、エンジンも好調、1分52秒217と言うタイムを叩き出し、なんと並み居るワークス勢をすべて抑えてトップで走行を終了する。明日の予選日に期待できる走行となった。 
翌22日の予選日。昨日より10度以上低い気温と、今にも振り出しそうな曇り空の下で1回目の予選が行われた。北川は順調にセットアップを進め、ピットインを繰り返すたびにタイムアップつねにリーダーズボードの1-2番手にランクされる。予選終盤はスズキワークスの加賀山選手との一騎打ちという感じで、予選のトップ争いが繰り広げられた。

北川は1分52秒フラットというタイムをマーク、チェッカーが用意された周もさらに激しい走りを続けたが、なんと突然のエンジンブロー。マシンをコースサイドに止めた。結果的に加賀山選手に次いで2番手で予選1回目を終了したが、午後の予選2回目までにエンジンを換装しなければならなくなった。

雨が降り出すのは時間の問題のような曇天が続く午後の予選2回目。積み換えたエンジンは鈴鹿8耐の耐久仕様のもの。セルスターターなどが装着されエンジン特性も若干異なるもので、多少のハンデとなってしまうかもしれない。だが北川はさらに1分51秒453までタイムを削り取り、なんと総合トップに踊り出る。そのアナウンスとともに場内からは大歓声が上がった。このままワークス勢を抑えてプライベーターがポールポジションか、と誰もが期待したが、終了間際に加賀山選手が意地を見せる。1分50秒731というタイムをマークしたのだ。これで北川は2位となるが、3位にホンダワークスの玉田選手、4位にカワサキワークスの柳川選手と文字通りワークスがずらりと続くのだから、プライベーターとしては文句なしのポジションである。鈴鹿200kmに続き、フロントロー獲得である。

決勝レースが行われる23日の日曜日も怪しげな曇天だ。このところスタートに自信を持っている北川だが、ここもてぎでもグリーンシグナルと同時にロケットダッシュでトップに踊り出た。
すぐに加賀山選手にかわされてしまうが、その加賀山選手の背後にぴったりついて1周目のホームストレッチに戻ってきた。この加賀山、北川のランデブー状態がしばらく続き、この2台は3位以下の玉田選手、武田選手、芹沢選手を少しずつ引き離してゆく。

鈴鹿200kmに続き総合の表彰台をゲット

レース中盤に差し掛かるころ、加賀山選手のGSV-RはmotoGPマシンの地力を見せ、北川をジリジリと引き離し始める。だが北川と3位の玉田選手との差は3秒ほどあり、単独の2位走行と言った感じだ。残り5周となった18周目、突然北川がペースダウン。

ピットでは何かトラブルか?とざわめくが、このペースダウンで玉田選手が急激に北川に接近した。あとで判明したことだが、この周に北川のGSX-R1000のラジエターブリーザーから水を吹いてしまい、大量の水がヘルメットやマシンのスクリーンに飛び散り、それを北川が雨が降り出したタ勘違い、ペースダウンしたものだった。
背後に忍び寄った玉田選手に対し、北川は再びペースアップ。またその差が若干開き始めるが、ここでバックマーカーが大量に出現し始める。最終ラップは北川と玉田のテールトゥーノーズ状態となり、観衆はこのバトルに大喜び。そして最終コーナーで玉田選手が勝負に出た。北川と玉田は接触しながら最終コーナーをともに立ち上がりチェッカーフラッグを受けるが、半車身差で北川が3位となってしまう。レース終了後、北川のレーシングスーツの足の部分には、玉田VTR1000SPWKのフロントタイヤの接触痕がくっきりと残っており、接戦の激しさがうかがえた。鈴鹿200kmに続き総合の表彰台をゲットしたが、悔しさ一杯の3位表彰台だった。

ケンツJトラスト&MOJO 北川選手
体調は80%だったけと、フリー走行からサスをうまく煮詰めることができた。予選は51秒台中盤は出せると監督に言ったけど、その通りになってよかったです。3位はいい結果だと思うけど、あのブリーザートラブルさえなければ、絶対に2位になれたと思うととても悔しい。まあこのリベンジは8耐ですね。がんばります!
ケンツJトラスト&MOJO 川島監督
プライベーターチームとして総合3位という結果はうれしいのですが、レース展開から見るとちょっと悔しいですね。しかし今の僕らのチーム力が発揮できていると思うので、この調子で8耐も頑張りたいと思います。僕らが頑張っていい成績を収めると、お客さんがとても喜んでくれるのが、本当に励みになります。

<<次のダイアリーへ | 前のダイアリーへ>>