今回のデイトナへのチャレンジは、ケンツJトラストレーシングとして初の海外遠征レース。チームは2月27日に現地入りし、翌28日より練習走行を開始する。走行セクションごとに新垣+GSX-R1000はタイムアップして注目を浴び、レースアナウンサーはそのアグレッシブな走りを誉め称えてくれた。また多くの海外ジャーナリストもピットまで取材に訪れてくれた。
3日には早くもCCSのアンリミテッドGPクラスの決勝レースが行われた。タイムスケジュールの不備とコースコンデションの悪さから予選が行われず、グリッドは参加申し込み順という。新垣はなんと最後尾から3番目、つまり43台中41番目のポジション。だが、新垣+GSX-R1000は素晴らしいスタートダッシュを見せ、毎周前車をゴボウ抜きという走りを披露。レースアナウンサーはジャパニーズアグレッシブライダーを連呼し、ついに最終周にトップ争いに加わる。そしてチェッカーフラッグをトップ3がほぼ同時で受けるというきわどいゴールで、新垣は惜しくも3位 となった。レースにたらればはないが、あと1周あったら間違いなくトップでチェッカーを受けていただろう。
4日はなんと朝から雨の天候。ほぼ1日中降り続き、2ヒート制で繰り広げられるフォーミュラーUSAのアンリミテッドスーパーバイクだが、第1ヒートはもちろん雨のレースとなった。予選10位 からまたもや目の覚めるスタートダッシュを決め、コースを半周もしないうちに新垣はトップに躍り出る。再び場内にアラカキの絶叫アナウンスが響く。ところが次の周、シケインの入り口で新垣は無念のスリップダウン。ステップを失い、そのままリタイヤとなってしまった。
この日はコースの悪コンデションのためか、その後もアクシデントで赤旗中断のレースが相次ぎ、アンリミテッドスーパーバイククラスの第2ヒートはあたりが薄暗くなった午後6時前にやっと始まった。第1ヒートの結果 からスタートグリッドは最語尾だが、1周目の終了した時点で新垣とGSX-R1000はもうセカンドグループの後方に位 置した。そして4周目には8位まで上がり、トップグループに追いつかんばかりの勢いだ。だが、またもやここで赤旗が提示され、レースは中断。原因はシケインで多重クラッシュがあり、多量 のオイルがコースに出たためだ。そのままレースは中止となってしまった。
3つのレースの結果はCCSの3位を最高に、トップを転倒リタイヤ、そしてレース中止というちょっと不完全燃焼気味とも言えますが、チームもライダーも色々と勉強になったのも事実。デイトナでGSX-R1000の速さも十分アピール出来て、その収穫は大きいと思われます。以上ご報告まで。