Racing Diary 2000's Race

もてぎ7時間耐久レース

2000年8月25~27日 ツインリンクもてぎ

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2台のGSX-R750

もてぎ7時間耐久レース・2台のGSX-R750

鈴鹿8時間耐久レースからほぼ1ヶ月。ケンツJトラストレーシングは、このもてぎ7時間耐久レース、通称もて耐に2台のGSX-R750を持ち込んだ。

じつはこのR750、鈴鹿8耐でスズキ80周年チームの水谷選手がライディングしたマシンそのもの。8耐に引き続き、なんとオーバーホールなしで7耐も出走して合計15耐?のレースを走り切り、新型R750の速さと耐久性を証明しようと企画されたのだ。

つまり8耐に引き続いて、ケンツJトラストレーシングはスズキ80周年チームとして今度は2台のR750を走らせるのである。 R750はほとんどSTDの姿そのままだが、ポテンシャルが非常に高いので優勝狙いしかない。

ゼッケン800番には国際ライダーの新垣敏之に国内ライダーの長谷川雅重、蜜石恵一の3人。もう1台のゼッケン888番には佐久間正彦、加賀山 悟、小田和 玄の3人の国内ライダーがライディングする。

予選は800号車7位、888号車15位(予選)

24日の練習走行では新垣がトップタイム争いを繰り広げ、結果的には1分01秒6を叩き出して120台中3位 のタイムをマークする。上位の2台とは僅差なので予想通りかなりいい成績を狙えそうだ。
 ただこのもて耐は独特の規則で、予選は国際ライダーのタイムが採用されない。つまり国内ライダーのタイムで予選順位が決まってしまうのだ。

川島賢三郎 監督
新垣ももちろんだけど、本当に新型R750は速いね。軽いから燃費もいいし、タイヤにも負担が少ない。まあ長丁場だから、予選は国内ライダーに頑張ってもらって一桁の順位 だったら上出来ですよ。

25日の予選、参加台数は全部で184台、このうち上位55台しか7時間耐久レースに出場出来ない。
 800号車は長谷川が1分03秒前半を叩き出し7位のポジションを、もう1台の888号車は佐久間がやはり03秒後半をマークして15位 のグリットを確保した。  まずは予定通りにいっている。

川島賢三郎 監督
長谷川、佐久間、そして他の国内ライダーもよく頑張ってくれた。このポジションは予定通り。決勝はある作戦を駆使して優勝を狙いますよ。

ケンツの奇襲作戦(7時間耐久)

27日の日曜、耐久レースにはふさわしい?蒸し暑い真夏の天気。主催者推薦の11台を加えた66台が、ルマン式スタートで11時きっかりにスタートした。
 と、なんと1周めに800番の長谷川がピットに戻ってくるではないか。そしてライダーを新垣に交代し素早くコースに戻っていく。周りはあっけにとられていた。

800号車 ライダー新垣
川島賢三郎 監督
もちろんあれは作戦ですよ。ルールでスタートライダーはタイムを出した国内ライダーじゃなければならない。とにかく7時間の中で新垣をたくさん乗せたかったから、1周でライダー交代という奇襲作戦にでたんです。序盤はトップ争いはできないでしょうが、これは時間が経過すればするほど効いてくる作戦なんです。
 

888号車の佐久間は抜群のスタートを見せ、2周めには8位までポジションを上げる大活躍。

だが、次の周に転倒を喫してしまった。 カウルを引きずりながらピットに戻ってきたR750を、スタッフは28分ほどでレースに復活させた。

バックマーカーと接触(7時間耐久)

一方の新垣は目も覚めるゴボウ抜きで、交代時の58位 から順位をどんどん上げ、10周めには早くも13位までジャンプアップ。17周めには8位 、24周めにはなんと3位となる。

これは予想外の展開で、もはやトップも射程内だ。
この作戦は見事に成功したかに見え、まさに27周を走りきろうとした新垣にピットインのサインボードを出したその周、なんとバックマーカーと接触、転倒してしまう。

そのまま新垣は救急車でメディカルセンターに運ばれた。
大破したマシンは修復に1時間近くかかってしまうが、これもスタッフの頑張りでコースに戻った。

川島賢三郎 監督
新垣は大事に至らなくてホッとしたけど、惜しかったね。バックマーカーとぶつかるというのもレースだから仕方ない。レースにタラレバはないけど、このままいけば間違いなくトップ争いが出来たんだけどね。まああとは完走を狙います。

この後は2台とも快調に周回を重ね、レース終盤には2分03秒台も連発。  新型のGSX-R750はこの7耐の前に鈴鹿8耐を完走したエンジンとは思えないパフォーマンスを見せてくれた。  どん尻まで下がった順位も徐々に上がっていく。

川島賢三郎 監督
このナナハンはホントにすごいよ。エンジンが全然タレないんだもの。こういう耐久レースでは終盤にはパワーダウンするものなんだけどね。とにかくポテンシャルはすごく高い。

チェッカーフラッグ(7時間耐久)

午後6時、チェッカーフラッグが振られる。

 800号車は長谷川、888号車は佐久間のライディングでゴールラインを通過する。  結果は888号車が179周を周回し37位、800号車は165周で49位 。2台とも完走だ。

川島賢三郎 監督
今回はちょっとついてなかったな。8耐でツキを使い果たしちゃったかな。まあでも楽しかったよ。、来年もそのつぎもレースはまたあるし、ケンツJトラストレーシングはそこでまた頑張るよ!

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