この鈴鹿200kmレースは鈴鹿8耐の前哨戦と称されるレースで、1周約6Kmの鈴鹿サーキットを35周、200kmをひとりのライダーが走り切る過酷なレースだ。 当然ガスチャージも必要で、ワークスはリヤタイヤの交換も行う。ケンツではすでにフレームやサスペンションに特別チューニングを施した8耐本番車を制作中だが、この200kmには間に合わないため、昨年の筑波グランドスラムに出場したハヤブサ号そのままの仕様でこの200kmレースに臨むこととなった。
予選はなんと土砂降りの雨。鈴鹿サーキットのデータをまったく持っていない 我々としてはまさにぶっつけ本番のレースとなってしまった。
しかもフルグリット44台に対し出場台数が66台と、1/3が予選落ちをするハードな戦いなのである。 今回のライダーである川田俊治も鈴鹿を走るのは5年振りという。
ところがイチかバチかの車体セッティングが成功し、もともと雨が得意な川田の頑張りと合わせ、なんと予選は総合28番手、Xフォーミュラクラスでは9位という好ポジションをゲットした。
これにはチームもびっくり。改めてハヤブサとライダーのポテンシャルの高さを再認識した次第だ。
なんといっ ても全日本選手権、上位15台ほどはワークスチームかサテライトチームのマシーンがひしめき合っているのだから、この予選結果は上々の出来といえよう。
決勝レースは昨日とは打って変わってドピーカンの天気。さて、こうなると鈴鹿のデータに乏しい我々はまたセッティングに悩んでしまうのだ。 ちなみにチームの作戦はタイヤ交換なしで200kmを走りきってしまう、というもの。今回はホイールのクイックリリースもないのでライダーには申し訳ないがタイヤに関して出来るだけガマンをしてもらい、タイムロスを最小にとどめる作戦だ。
緊張のスタートは見事に失敗。28位から1周目のホームストレートはなんと 40位という順位で戻って来た。川田によるとフルタンクで重量バランスが変わってしまった(15kgほど重く なり、しかも重心がかなり高くなってしまう)のに手間取り、あやうく転倒しそうになってしまったとのことだ。 だが 川田はそこから徐々にペースアップしてゆき、タンクが軽くなるころには27~28番手までポジションアップ。予定より2周早くガスチャージのためピットイン、10数秒でチャージを済ませコースに復帰、最終的には27位でチェッカーを受けた。
今回は成績は二の次で、とにかく鈴鹿のデータを収集することが目的だったから、この結果にはほぼ満足している。本番車がまもなく出来上がる予定なので、8耐にはこのデータを生かし、最良の結果を求めたいと思っている。