Racing Diary 1999's Race

筑波グランドスラム4

1999年11月13~14日 筑波サーキット

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予選ではGSX1300Rハヤブサはポール奪取(HUGE1クラス)、 TL1000Rはフロントロー確保の4位、そしてTL1000Sは8位

秋晴れとなった筑波サーキットで開催された人気のイベントレース、99筑波グランドスラム4。わがケンツJトラストレーシングとしては今年最後のレースということで、メーンイベントレースとなるHUGE1クラスにGSX1300Rハヤブサ(ライダー新垣敏之)、激戦のMTクラスにはTL1000S(佐久間正彦)、TL1000R(蜜石恵一)の3台を参戦させるフル体制で臨んだ。両クラスとも強力なライバルたちがエントリーしており、激戦が予想された。

MTクラス予選

出場台数が多く予選を2組に分けて行なわれたMTクラスでは、ブレーキトラブルに見舞われながらもTL-Rの蜜石がフロントロー確保の4位に入った。体調不良のTL-Sの佐久間正彦もなんとか8位というひと桁の順位となり、まずまずのポジションをキープした。

蜜石恵一 選手
ちょっとブレーキのフィーリングが悪くてタイムが伸びなかったけど、決勝ではあと1秒くらいタイムアップできると思う。絶対に1分02秒台に入れます
佐久間正彦 選手
体調がイマイチだったので、予選は不本意な順位で終ってしまった。MTクラス参戦以来の連続フロントロー記録も途切れてしまって残念です。でもだんだん体調もよくなってきたので、決勝はなんとかしますよ
ケンツJトラストレーシング 川島賢三郎 チーム監督
ライバルたちのマシンがどんどん速くなってきているから、レベルも相当高くなっているのがMTクラス。そのなかでもふたりともよく頑張ってくれた。決勝ではふたりとももっとアグレッシブに走ってくれるでしょう。期待していますよ

HUGE1クラス予選

30数台が一度に予選を走るため、ハヤブサにとっていかにクリアラップが取れるかがポイントとなると考えられたHUGE1の予選。また直前に行なわれたSSCの予選でコース上にオイルが大量に出て、2回も赤旗がでるほどコースは悪コンデションのおまけつきだ。だがこの状況でもハヤブサを駆る新垣選手はアグレッシブなライディングを見せてくれ、予選開始早々からトップタイムを叩き出し続け、見事にポールポジションを奪取。予選終了のチェッカーが振られるとピットからは歓声が上がった。筑波ではドカティ916やCBR900RRなどに比べて重いハヤブサは不利、と言われていただけに、この結果にはパドックでも注目の的となった。

新垣敏之 選手
コースがオイルだらけなのと、なかなかクリアラップがとれないことで大変だったけど、とにかくポールが取れてうれしい。ハヤブサも調子いいし、もちろん決勝も勝ちに行きます!
ハヤブサと新垣
ケンツJトラストレーシング 川島賢三郎チーム 監督
コポールポジションを取れたことはとてもうれしい。ハヤブサの仕上がりもまあまあだったから結構いけるんじゃないかと思っていたけど、とにかく新垣はよくがんばってくれた。まわりは速いバイクばかりなので決勝は楽観できないと思うけど、この調子で行ってほしいね

MTクラス決勝レース

スタート直後に第一ヘアピンで数台が転倒するアクシデントでレッドフラッグが提示され、スタートやり直しとなった。そのリスタートでは8位のポジションからTL-Sの佐久間が抜群のダッシュを見せ、1周目は4台団子状態のトップ争いでホームストレッチに帰ってくる。一方のTL-R蜜石はスタート直後に他車と接触しクラッチレバーを折ってしまうが、3周目には5位までポジションを上げてきた。このままレースは膠着状態となり、佐久間はトップ集団に最後まで食らいつくが、わずかに届かず4位でチェッカーを受ける。蜜石 は6位でレースを終えた。

佐久間ライディング
佐久間正彦 選手
最後までトップは見えていたんだけど、追いつかなくて残念。だけど一時期よりライディングの勘が戻ってきたし、Sもまあまあ速かったから、今回はこれで納得します。次回はBOTTでお返ししますよ
蜜石恵一 選手
スタートでドカティにぶつかって出遅れた上にクラッチレバーを折ってしまった。6位はけっして満足ではないけど、MTクラスのレースは初出場だからこんなもんだと思います。次回のチャンスではもっと頑張ります
密石ライディング
表彰台
ケンツJトラストレーシング 川島賢三郎チーム 監督
激戦のMTクラスでまあまあの成績だと思う。ふたりともレースを楽しめたのではないかな。SもRもまだまだやりたいことがあるので、そうしたらもっと速くなると思いますよ

HUGE1クラス決勝レース

メーンイベントとなるHUGE1クラスにはハヤブサが3台も出場しているほかドカティ916コルサやCBR900RRやGPZ900ニンジャ、ビモータSB8Rなどまわりは強豪だらけで激戦が予想された。これだけ多種多彩なマシンが出てくるので人気が高いのも当然だろう。だがコースの方はこれまでのレースで撒かれたオイルの処理後が残り、グッドコンデションとは言い難い。
レースはそのオイル処理などで、予定より約30分遅れでスタート、新垣+ハヤブサはやや出遅れて3~4番手で第一コーナーに消えてゆくが、オープニングラップは見事にトップでホームストレッチに帰ってきた。ピット、パドックから歓声が上がる。

直後には916コルサが迫り、3~4周目には早くもこの2台が3以下を引き離し、一騎討ちの様相となる。ハヤブサと916は激しいトップ争いを繰り広げ、第一コーナーでは接触するほどのドッグファイトを見せ、観客を喜ばせる。ピットで固唾を飲んで見守る中、火花を散らすトップ争いのままレース終盤へと向かうが、残り3周というところでハヤブサ+新垣はCXコーナーで痛恨の転倒を喫してレースを終えてしまう。
 原因はジェネレータカバーを縁石に引っかけて転んでしまうという残念なものだった。

新垣+ハヤブサ
新垣敏之 選手
トップを走っていただけにやっぱり悔しい。バンク角をコントロールしていたんだけど、トップ争いをしているとどうしてもインを閉めて走るから、イン側縁石に当たってしまった。でもハヤブサと僕のパフォーマンスをみんなに見せることができたと思うから、納得します。次回は必ず勝ちますよ
ケンツJトラストレーシング 川島賢三郎チーム 監督
ハヤブサもようやく煮詰まって、そして新垣も乗れていただけに残念。まあハヤブサは不利と言われた筑波でポールも取れたし、トップも走っていたんだから自信はつきました。
ジェネレータはなんとかしなきゃね。まあアイディアはあるし、まだまだ煮詰めることがたくさんあるから、ハヤブサはもっと速くなりますよ。期待していてください

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