KENZ SPORTS
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もてぎオープン7時間耐久レース
'99年8月28-29日
ツインリングもてぎ

 
関東最大のロードレースイベントは、なんと参加台数176台!
 

 みなさんもご存じのとおり、今年のもて耐は176台という予想外のエントリー台数を数え、予選通過(なんとこのうちの50台!)は非常に狭き門となった。

 わがケンツJトラストレーシングからはGSX1300Rハヤブサ(ライダー新垣敏之/川田俊治)とTL1000R(ライダー佐久間正彦/蜜石恵一)の2台を出走させ、28日の土曜日に行なわれた予選では176台中ハヤブサが10位、そしてTLは88位という結果。
 ひそかにポールポジションを狙っていたハヤブサはともかく、TLの予想外の予選落ちという結果にはスタッフ一同唖然となってしまった。まさか筑波サーキットで常勝のTLが……、という気持ち。レースのレベルが高いのはもちろんだが、正直言ってリヤタイヤのミスチョイス(いつもよりワンサイズ細いタイヤを選んだ)が原因だったことが後に判明した。

 
 こうなったら予選51位から110位までで行なわれる70分耐久レースで、なんとか8位までに食い込めば、敗者復活として本戦の7時間耐久レースに出場できるから、なにがなんでもそれを狙うしかない。とは言え、70分耐久のグリットでさえ前から数えて38番目。
 ここから30台をゴボウ抜きしなければ8位になれないのだから、かなり厳しいレースになることが予想される。

 ルマン式スタートで70分耐久レースの幕が切って降ろされた。わがTLは素晴らしいロケットスタートを決め、1コーナーまでに12〜13台ほどをゴボウ抜き。
 第一ライダーの蜜石は予選タイムを2秒以上上回るタイムで周回を重ね、1台また1台と抜きまくり、ついにはトップ!に躍り出る。

左から監督川島、
ライダーの新垣、川田


TL1000Rのガスチャージ風景
 そして20周目に予定通りのガスチャージ&ライダーチェンジでピットイン。このときばかりは義務づけられている1分間のガスチャージタイム(給油は20秒もかからない)がとってもじれったい。
 チームによっては 70分を無給油で走り切って、ピットインはライダーチェンジのみという作戦をとっているところもある。ライダーチェンジのみのピットインでガスチャージなしだったら、例の1分間ルールが適用されないのだ。
 もどかしく40秒ほど無駄な時間を過ごしているあいだにTLどんどん順位を落としていき、第二ライダーの佐久間がピットアウトしたときTLは13位だった。佐久間も猛然とスパートをかけ、残り時間10分の時点では10位、そして残り時間5分で9位。ピットからは自然とあと1台コールが起きた。

   最終ラップ、TLと佐久間が最終コーナーから姿を現わし、70分のチェッカーを受ける。コース脇のリーディングボードは無情にも9位………、と思った次の瞬間、TLのゼッケン31番が8位にジャンプアップ! やった、TLも7耐に出られる!!!
 もうピットではこの劇的なフィニッシュに、スタッフみんなでお祭り騒ぎ。監督のケンツ代表の川島賢三郎は「もうハラハラさせやがって」とつぶやくが、マシンを仕上げたこの本人が一番うれしそうだった。この夜に20数人のスタッフ全員で行なったバーベキューパーティが、非常に盛り上がったのはいうまでもない。



 
ハヤブサは9位、TLは2度の転倒で33位
 

 翌日の7時間耐久の決勝。スタート直後の大島選手の不幸な事故はなんとも悔やまれるが、40分後に再スタートが切られた。
 ハヤブサに乗るわが新垣は、好スタートを見せ、なんと序盤はずっと3番手争いを繰り広げた。ポールポジションを狙っていた新垣とハヤブサだから、このくらいの走りは当然かもしれない。一方のTLは58番手スタートから、こちらも25〜6番手を走行しているのでこちらも順調な滑り出しだ。
 スタート後2時間半を過ぎるころになると、順調にルーティンのピットインでガスチャージとライダー交代を繰り返していたTLは、なんと12位まで順位を上げ、言うことナシのレース展開を繰り広げる。ハヤブサにはマイナートラブルも出た(ハヤブサにとっては、このもて耐が事実上のデビューレースだから仕方のないことか)が、こちらもおおむね順調といえる。

ハヤブサと新垣

   そして4時間目にかかるころ空が急に暗くなり始め、ついにポツポツと雨が降ってきた。ピットではすぐにレインタイヤを用意するが、レインタイヤへの交換は、走行中のライダーに一任している。これは前夜のミーティングで決めたことで、ここらへんは監督の川島がもともとライダー出身だけあって、レース中のコース状況はピットよりもライダーが一番分かっているという持論から決定されたことだ。案の定ハヤブサ、TLの2台ともピットには戻ってこない。もともと雨が降り出す10分ほど前に、2台ともダンロップD207GPのフレッシュタイヤに交換したばかりなのだ。ましてや207GPはどのライバルタイヤに比べてももレイン性能に優れているからだ。
 それに西の方角は雲が切れており、明るくなっている。 雨が降り始めて30分以上過ぎたろうか、空の明るさは増してほとんど雨は霧状のものとなっているが、コース上はまだウェット。と、突然TLがピットに戻ってきた。コースアウトして軽く転倒したらしいが、被害は軽微なので各部の点検だけでコースに戻る。天候の方もほとんど雨が止んでいたのでタイヤ交換もなしだ。

 
 よし、最少の被害で済んだ、と思ったのも束の間、止んでいた雨が再び降りだしてきた。ウーンやっぱりタイヤ交換すべきだったか。しかし一方のハヤブサはコンスタントにラップを重ねているし、監督は打ち合わせ通りタイヤチョイスはライダーに任せているようだ。
 だが、再びTLがルーティン以外のピットイン。今度は左サイドにけっこうな転倒痕を見せている。
 どうやら立ち上がりで縁石に乗り滑って転倒したらしい。左ステップ、クラッチマスターなどはパーツアッシーで交換しなければならないようだ。


 この修理に16分ほど時間がかかり、TLは大きく順位を落とすことになったが、スタッフの素早い作業で蘇ったTLに、今度は佐久間のライディングでコースに復帰した。こうなればあとはひとつでも順位を上げることだ。

   残り1時間を切り、いよいよもて耐も終盤に突入。ところが第二ライダーの川田に交代したばかりのハヤブサのエキゾーストノートがおかしい、とピットサインマンから監督に連絡が入る。確かにホームストレッチに戻ってきたハヤブサの排気音は、心持ち力ないような湿ったサウンドとなっている。「ヤバイ、1気筒おかしいな」監督がつぶやく。あと30分弱でチェッカー、なんとか壊れないでいてほしいとスタッフ全員が祈る気持ちだ。川田はいつもより4秒くらいタイムを落としてラップしており、明らかにハヤブサをいたわっている様子だ。

 残り20分、10分、祈りが通じたのか、ハヤブサは走り続ける。順位の方もなんとか9〜10位をキープしており、わずかながらタイムアップもしている。そしていよいよコントロールタワーにチェッカーフラッグが用意された。午後6時、チェッカーフラッグが振られ、まずはハヤブサがゴール! 少し経って TLもゴール! ハヤブサは9位、TLは33位という成績である。

 
 176台もの参加台数は、今回のもて耐を相当レベルの高いレースとしてしまった。いろいろな意味で熱かった今年のもて耐だが、わがケンツJトラストレーシングは2台とも完走でき、しかもハヤブサは9位入賞。 これもみなさまの応援の賜物だと、心から感謝いたします。次のレースは11月の筑波グランドスラム4。ケンツのレーシングノウハウをすべて注ぎ込みますので、みなさん期待していてくださいね!
7耐終了後、ライダースタッフと
記念撮影。
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