梨本圭とバリー・ヴェネマンがコンビを組む、ケンツG`ZOXスズキJトラスト。木曜の公開練習からセッティングは順調に進み、金曜の予選では梨本が2分12秒6、バリーが2分12秒7というベストタイムを叩き出す。
目標の12秒中盤をマークしたので、上位20位までのスーパーポールも問題ないだろう…と思ったのも束の間、予選順位はなんと22位。今年の8耐のレベルの高さが浮き出る。
ふたりとも同じようなタイムで走ってるし、マシンも調子がいい。土曜は最後のマシン調整とライダーの休養にあてる。しかし実際は数回のトークショーなどステージのお呼ばれが続いて十分な休養とはならなかったが… まあこれもレースのうちだ。
決勝日朝のフリー走行は13~14番手で終了。予選のQタイヤとは違い、みんな決勝用タイヤ&満タンで走っているはずだから、この順位はレース戦略を立てる上で重要なポイントとなる。
スタートライダーは梨本だ。燃費もいいし、ふたりがコンスタントに周回を重ねてくれれば必ず6位以内にいける。圭のスタートよく走り出し、18位でバリーに交代する。バリーも計算どおりのラップで27周を走り、15位でまた梨本にチェンジ。
間もなく雨が降り出してなんと6周でレインタイヤに交換、ここからの圭の走りはすさまじかった。13位から毎周のように全車を抜きまくり、あつという間に7位まで順位は浮上する。なんせトップを走るセヴンスターよりも速いラップで走っているのだから!!
決勝日朝のフリー走行は13~14番手で終了。予選のQタイヤとは違い、みんな決勝用タイヤ&満タンで走っているはずだから、この順位はレース戦略を立てる上で重要なポイントとなる。なんせ僕らは決勝用タイヤで予選に臨んだのだから。果たしてレインかドライか。
一瞬の躊躇はあったが、僕らはドライタイヤを選択、コレがまたバッチリはまった。
圭のライディングは冴え渡り、なんと4位まで浮上!いよいよ終盤になって表彰台に手が届くところまできた。4位のままバリーに交代。ところどころにウエットパッチが残る路面と格闘しながらバリーは順位をキープしてピットに戻ってくる。
梨本の4回目、いよいよ最後のパートだ。
落ち着いてタイヤ交換、ガスチャージのピットワークをミスなく済ませ、圭をコースに戻す。ピットに安堵の雰囲気が流れるが、次の瞬間、ピットのモニターに最終コーナーのグラベルにたたずむ、圭と黒いGSX-R1000が映し出される。
なんてことだ。破損状態は?モニターで確認すると、なんとかカウルとレバーなどの交換で済みそうだ。ここでリタイヤしてなるものか。シケインをショートカットして戻ってきた圭とマシン。ピットボックスに入れ、修復におよそ26分。
バリーのライディングで再びケンツ号はレースに復帰していく。
結果は33位。完走である。
もう少しで表彰台だったのに、とかの悔いや思いなどは正直言ってたくさんある。だが今年もケンツのチーム力を十分に発揮し、みんなの記憶には最高のレースシーンを焼き付けたに違いない。
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